2020年MBA合格者の「入学をDeferする/しない」に関する個人的見解

2020年MBA intake予定の人達にとって、新型コロナウイルスの影響で授業・グループワーク・就活等の大半のイベントがオンラインになってしまうのではないかという懸念は、無視したくてもどうしても頭の中でちらついてしまう。そんな中、一部の合格者は学校側と交渉し入学時期を1~2年間遅らせる「Defer」という選択肢をとり始めている。Deferの背景を説明する合理的理由が得られればスクール側も承諾せざるを得ない程の深刻な状況なのだから。当方の入学予定校では進学予定者の1割がDefer、3割が未だ検討中とのこと。検討組の中には入学金の頭金(Deposit)支払いを遅らせる交渉をし事態の動向をせめて1か月でも延長して見極めたいと願う人もいる。

今年Deferした人たちは2021年のクラスに入学することになるため、来年にも少なからず2020年コロナの影響が引き継がれるだろう。2021年は2020年Defer組がすでに一部の「枠」を埋めているので合格難易度が上がる可能性があることは否定できない。2020年合格者組チャット(もちろんネイティブも含めたもの)では、「来年のクラスにDeferしたので来年会おう!」という報告も散見され、一度は形成されたはずのクラスが早速解散し始めているようで正直なんだか寂しい。他にも、「学校サイドがオンラインで従来MBAの価値を提供することは不可能」とし合格者たちが署名をとって学校運営サイドに学費減額交渉をするアグレッシブな事例もあるようだ。確かに、MBA科目の知識習得のみが目的であれば、単に国内でAmazonポチポチして自習すれば同等レベルの達成は不可能ではないし、MBAの価値の多くは、Face-to-Faceで行われる同級生たちとの議論・ネットワーキング・現地就活・インターンといったClass外での活動にも重きが置かれていると思うので、これらの機会がオンラインで代替されることを懸念しDeferや学費減額要求というオプションが出てくるのは極めてリーズナブルである。世界中から集まった猛者達が一堂に集うとこういった議論が展開されるのか、とつい感心してしまった。私個人としては、Deferするしない議論に正解はなくテーブルの上に並べられたカードを過不足なく精査し個々人が各々にとって健全な判断ができるのならそれでいいと思う。

私自身は、当初の予定通り2020年秋からMBA留学することにした。Deferしようと思えば出来たのかもしれないが、自分のキャリア・妻のキャリア・家族・業界動向等、様々な事を考慮した上でこの決断をした。留学期間の大半がオンライン化する可能性もあるが、たとえそうであってもオンラインはオンラインのメリットがあるだろうし、学びの価値を落とさないよう学生側も工夫できる余地が多くあるはず(と信じている)。といっても具体的にどうしようという考えはまだ持ち合わせていないが。今まさにコロナ影響下第一号のMBA留学先輩たちの活動報告をネット上で拝見し多くの学びを得ているところである。ちなみに先日見かけたオンライン講義の利点としては、大教室での発言よりもオンライン挙手がしやすく発言機会が増えたとか、オンラインでのグループ議論は一度に話すのが一人になり以前よりもやりやすくなった、とか。他にも私のようなものぐさな人にとっては、移動が面倒なF2Fのイベントなら不参加判断となるケースでも、オンライン開催のイベントであれば参加できると思う。これに伴って逆に機会過多となりやるべきこと・やりたいことの取捨選択がより一層重要になりそう。Class外では、Zoomアプリをつかったオンライン飲み、いわゆる「Zoom飲み」が各国で文化として定着してきているのでプライベートな会合の敷居が下がっている気もする。学校運営サイドに目を向けると、彼らもF2Fとオンラインの融合に木目細かく対応した教育パッケージを組み立てるための変革が求められることは言うまでもない。結局アカデミックなビジネススクールと言えど「ビジネス」なのでどんなに困難な状況でもReputationを落とさずかつ学生を集め収益を上げられるスクールのみがサバイブできるのだから。彼らにとっても従来MBAで提供してきた価値を減損させない工夫をできるかどうかは死活問題であり、特に本年度はコロナ真っ最中のみならずアフターコロナへのアジャストに向けた多くのトライ&エラーが見られるはず。新時代のMBA教育を再調整する必要性に駆られている混乱した状況において、本年度留学者はその多くの影響をモロに受ける第二陣の先駆者として、いや誤解を恐れず言うならば「被験者」として、不確定要素の多い留学期間を楽しめれば良いなと思う。

本ブログでは、時折、こういうエッセイ風な記事も残していきたい。